ネットの常識が変わる
「OneWeb(ワンウェブ)」とは2012年にグレッグ・ワイラーという人物によって立ち上げられた企業の名前で、同社は人工衛星を使い、全世界に高速インターネット通信サービスを提供することを目指している企業となります。
これまでも衛生を使った通信技術はありましたが、技術的に様々な問題を抱えており、日本でその存在を知っている方は極少数と言えるでしょう。
ですがこの「OneWeb」はそんな常識を根本的に変えるものになります。
通常では衛生は地球から3万6千kmほど離れた高軌道上にあり、どうしても遅延の問題がありました。また、衛生を1機打ち上げるだけでも莫大な費用が必要でとても気軽に提供できるサービスではなかったのですが、この「OneWeb」は1200kmと言う低軌道上に少なくとも700機もの安価な小型衛生を打ち上げることによって文字通り地球上をすっぽりと覆って「OneWeb」にしてしまう計画を提唱しています。
この計画に可能性を感じ賛同したことがソフトバンクが今回の巨額の出資を行った理由です。
ソフトバンクの他にも英国の「ヴァージン・グループ」や、米国の通信・半導体大手の「クアルコム」や「コカ・コーラ」など錚々たる企業が出資しており、現時点で12億米ドルの資金を獲得しています。
同社は2018年初めに10機の衛星を打ち上げてテストを行い、その半年後には72機の低軌道衛星を打ち上げる予定だそうで、すべてが上手くいけば、早くても2019年には「OneWeb」が提供する遅延の少ないインターネットが利用できるようになるそうです。
それではこの「OneWeb」によって生じるメリットやデメリットを見ていきましょう。
「oneweb」のメリット
通信料の低価格
個人的な最大のメリットはこれだと思っています。
と言うのもこれまでは各国の通信キャリアは自国の通信インフラしか持っておらず、自ずと顧客は自国の人間に限定されます。
これによって顧客の母数が限定されていましたが、この「OneWeb」が完成すると、ある意味で地球上の人間すべてが顧客になり、総合的な通信インフラの確保ができるので、顧客一人一人に請求するサービス料金も低下することが考えられます。
通信速度の安定化
地球上の全ての範囲をカバーすると言われているこの「OneWeb」のメリットとして挙げられるのは、「通信速度の安定化」であると言えるでしょう。
現在でも通信の遅延は限りなく短くなっていますが、あまりにも人里離れた場所ですと電波が入りにくかったりなどの問題がまだ存在していますが、この「OneWeb」が実現するとその問題は解消されます。
通信を利用する場合は安価な小型の装置を購入しそれを介してネットに繋ぐことになるので場所に関係なく通信が可能になり、さらに遅延の問題も一定の基準から下がることはなくなるでしょう。
文字通り一つのネットでまかなえる「OneWeb」の名に偽りなしと言えるでしょう。
気軽に海外に持っていける
例えばですが、突然海外に行った時もこれまでは海外用の高額なサービスを利用するか、現地でsimを購入し通信を確保する必要がありました。
ですがこれらには事前の準備や相応の知識など、ハードルが高いという難点がありましたが、この「OneWeb」が実現すると世界中どこにいても恐らく顧客側でかかる手間が大幅に削減されることが予想されます。
ですので、気軽に海外に自分の端末を持っていけることになります。
雇用が増える
またこの「OneWeb」によって生じるメリットの一つに「雇用の増加」があります。
アメリカのフロリダにある衛星製造工場が2018年に完成するようで、これにより今後4年間で3000人の雇用が創出されると言います。
また、ドナルド・トランプ大統領と会見したソフトバンクCEOの孫正義氏は米国のスタートアップに500億ドルを投資し、アメリカ国内に5万人の雇用を創出すると約束しているそうです。
今回の出資でその約束を果たしたと言えるでしょう。
生じるデメリット
しかし、この「OneWeb」により便利になる反面、当然考えられるデメリットも存在することがわかります。
ハッキングの脅威
全世界どこからでも繋がると言うことは、全世界どこからでもハッキングができると言うことになります。
現時点でもスタンドアローン(ネットに接続していない端末)でもない限りハッキングを防ぐのは事実上不可能です。もちろん対策は講じられていますが、いつの時代も「イタチごっこ」と言われ、新しい技術が生まれる度に、それらを突破することを生きがいにしている人もいます。
まぁこれらにより技術の向上が図られているわけですが(元ハッカーがセキュリティ会社にヘッドハンティングされるというのはよくある話)これらの知識がない人間にとっては脅威以外の何者でもありません。
全世界どこにいても安定して安価な通信が行えることに目を奪われ、自分の端末がハッキングされたことも気が付かない、なんてことも起こりえます。
安価故の危険性が潜んでいることも忘れてはいけません。
強度の問題
先述したように、大規模な衛生を打ち上げるには莫大な費用がかかるので、小型で安価な衛生を数多く打ち上げることにより地球上の全方位をカバーすることでこの技術を再現するわけですが、安価ということは当然強度などはある程度劣るものとなることが予想されます。
もし仮に故障などした場合には「ちょっと宇宙行ってくるわ!」と気軽に修理にも行けません。これが地上の基地局でしたら、技術的な問題を除けば修理はいつでも可能です。
また、可能性は限りなく0に近いですが、故障して制御ができなくなった衛生が地上に降ってくることもあるかもしれません。
そうなった場合、もはや通信がどうのと言っている問題でもなくなってきます。
まぁ、そんなことが起きないように当然、事前に対策は立てていると思いますが、この世に絶対はないので不安がなくなることはないでしょう。
結局どうなの?
技術に関してはや、それによって生じるメリットやデメリットを書きましたが、個人的にはこの「OneWeb」にはとても期待しています。
この「OneWeb」が実現することによって端末の側でも様々な発展が望めるので、ぜひ実現してくれることを願っています!